熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ 「女ともだち」

 読了しました。どんでん返しはあったけど比較的スーッと終わった気がします。フジコの時や孤虫症の時のようなうわーっ感は薄いかなと。面白くないわけじゃなくて、何というか、山場をあっさり下山した感じ。もしかしたら、一番いいところをぶつ切りにして読んだからかもしれません。

 新宿駅から急行で40分の場所にある三ツ原駅。そこにあるリトルタワーで2人の女性の遺体が発見される。犯人は捕まるものの冤罪を疑うライターの楢本野江はこの事件にのめり込み、取材を開始する。私にはとっておきのネタがある。野江は自らの説を雑誌に展開し世間の注目を集めていくが…。

 真梨幸子作品に普通の人間は出てこない。でも今回の作品は今まで読んだ中で一番普通っぽい人が出てきたように思う。確かに強烈な負けず嫌いや恐ろしい儀式は書かれるものの、それはそこにしか寄って立てない女の性の域を抜けてないような…。だからかな、悲しいねって思ったけどうわーっやられた!っという感情は起きなかった。

 読ませる力は強いですよ。引き込まれました。ただ、ずっとどこら辺が女ともだちなんだろうって思いながら読んでたから集中はできなかったかな。そこも心の揺さぶりが少なかった原因かもしれないです。

 儀式だけなら小野不由美作品にも似たような話があった気がします。最後の最後でドーンと明かされたからびっくりして忘れられなくなった。講談社X文庫の悪霊シリーズ。新版にも入ってるんじゃないかな?読んでないからわからないけれど。

 これに懲りずにまた真梨幸子作品に挑戦してみよう!

 

女ともだち (講談社文庫)

女ともだち (講談社文庫)