熊手かき

読書好きの日常

経験者は語ったのに

 私は自己臭恐怖で半年近く休職した。休職する前もおかしくなってきてる自分をどうにかしようと仏教本を読みふけったり2chの匂いに関するスレを漁ったりしてジタバタしてた。でも大事だったのは投薬と休養で…。そしてもっと大事だったのは自分を開くことだった。

 今旦那は慢性疲労からくるうつ病手前の状態。来る日も来る日も仕事の不安を語り、自分がいかにできないかを語り、逃げる先を探してる。自分はどうだっただろう。辞めることは考えたこともあったけど、逃げることは考えなかった。うちは子供を養うだけの余裕がないと親に宣告されていたから、自分の食い扶持は自分でなんとかしなきゃならなかったから。もちろん休職中は多少の援助は受けたけどね、ありがとうございました。

 心に余裕がないと同じことしか考えられなくなることがある。どこをどうたどっても行き着く先はもうムリ!にしか行けない。そういう時は考えないこと、目の前にあるやることに集中してしまうしかない。なにも考えないでひたすら単純作業。大事な決断はもちろんしちゃダメ。できることもできないと思っちゃうから。

 なのに、なのに、うちの旦那やらかした。大事な決断してきちゃった。思わず声荒げちゃったよ。辞めるわけじゃないけど、配置換えして欲しいって上司に言っちゃった。小声でつぶやく旦那、呆れる上司。あ〜、その場面が目に浮かぶ。何度もまずは有休を取りたいって言おうねって言ったのに。疲れが取れれば違うからって言ったのに。経験者がどんなに言っても聞いちゃいねぇ。あんたより何年もメンタル病んでるんだぞ!人の精神面よく勉強してるんだぞ、この野郎!

 仕事で学べるかどうかは自分と環境にかかってると思う。環境が良ければ育ててもらえるし、悪くても自分で気づけば学びは生まれる。どんなにベテランで恥ずかしくても学べなかったことを学びたいっていうことは大事だ。すごく恥ずかしかったけど、私は復職してから学ばせてくださいと頭を下げた。そしたら教えてくださいが楽に言えるようになって昔よりはるかに物がわかるようになってきた。そういう逃げ方もあるのにな。

 旦那の人生、旦那が決めることだ。でも、同じ社内だし私が産休育休明けに居づらい状況だけは作って欲しくない。それに私は旦那がやってきた10年は大事なことだったと思う。無駄じゃないしね。人と違うやり方しかできないなら、自分なりの最良を見つけてほしかったなって少し残念。メンタル病んだ家族を支えるのは難しい。