熊手かき

読書好きの日常

本を読み通す力と楽しむ力をくれた一冊

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
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 私の青春の一冊、それは田中芳樹さんの「王子二人」。あの当時「アルスラーン戦記」が映画化された。全く知らない作品なのに観に行きたくてとりあえず原作を手に取ってみた。

 でも私、それまで本を読み通すことができない人だった。挿絵が気になってそこの前後だけ読んで読んだ気になって終了。だから、「アルスラーン戦記」のように長い話を読みきれるとはとても思えなかった、我が事ながら。しかも当時フェアをやっていたはずなのにシリーズ1作目が手に入らず…。2作目から読むという暴挙。本当に読み切る気なかったと思う。

 夏休みだった。母親が洗濯ものを干している側で開いた本は壮大な冒険活劇。なんだこれ、面白い。ダリューンカッコいい!初めてだった。読むことがやめられない。1日で読み終えた私はその日すぐに続きを買いに行きたい!と母親に直談判したけど、その日は本屋に行かないとつれなく断られた。でも読みたくて。何度も頼んで1冊だけ買ってもらったけれど、次の日には読み終えて。とにかく続きをと飢えた狼のように貪った。

 最後に読んだのは1冊目。全部終わってからはじまりの話を読む。変な話だけれど続きの方が大事だったから。

 それから本好きになった。ずっと浸りたいからコバルト文庫の長いファンタジーシリーズに手を出して行った。あの当時だと榎木洋子さんの「リダーロイス」シリーズとかですね。「ネバーエンディングストーリー」が大好きだったので、すぐにハマってしまって大量買いした。

 私を本に狂われせた大元凶で、授業中も隠れて本を読むような人間にしたのは「アルスラーン戦記 王子二人」です。この本との出会いがなければ、私は読書家にならなかった。ありがとう田中芳樹さん。でもあなたのおかげで貯金という言葉から縁遠い人間になりました。

 

王子二人―アルスラーン戦記〈2〉 (光文社文庫)

王子二人―アルスラーン戦記〈2〉 (光文社文庫)