熊手かき

読書好きの日常

本を読まない旦那が本を選ぶ

 旦那は本を読まない。文章をうまく書くために本を読もうかなと思うくらい。でも、実際には読まない。『残穢』を貸したらカバンに入れるだけで読んだ様子もないので回収した。わたしは本を読む旦那が欲しかった。『眼球譚』を読んでいたら「これも面白いよ」と本を勧めてもらって出会うのが夢だったくらい。そんな出会いを求めて図書館に入り浸ったくらい。でも、現実は厳しい。

 講談社文庫ミステリーフェアをやっている。対象の本を買うとよむーくポーチがもらえる。文庫本が入るポーチ。文庫本はカバンの中でページが開いて折れたりするので助かる。ぜひ欲しい!そこで思った。自分が探している間は自分の好きな本しか選ばない。偏りが出る。なら、自分ではない人に選んでもらったら?と。しかも、本を読まない旦那に選ばせたら面白いのではと。早速頼んだ。初日は「持ってるって言われたら嫌だから買ってこなかった」と言ってきた。なんだよ!どの本も新装版だし、新装版じゃないのは持っていても構わない本だし、文句を言わないから買ってきて!と頼んだ。

 次の日、ポーチと一緒に持ってきた本は『罪の声』だった。これは前から気になっていた本、やるな、旦那!「池井戸潤と迷ったんだけどね」と言っていた。池井戸潤東野圭吾だったら「有名だもんね」と言っていたと思う。ネームバリューで買ったでしょ?って。なんでこの本かは聞いてない。謎のままでいい。今度はナツイチとか新潮文庫の夏の100冊とか買ってきてもらおうかな?謎のチョイスを楽しもうかな?

 旦那は本を読まない。そんなわたしの将来の夢はたっくんと本を勧め合うこと。そんな日が来るといいな。