熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ「幸福はどこにある」

 読了しました。爽やかな1冊でした。ヘクトールの性格のおかげかな?世界中に友達がいるなんて素敵だなとか関係ないところでフワーッとなりました。とある国で精神科医をしているヘクトール。彼の元には不幸には思えないのにやって来る患者が少なくない。幸福ってなんだ?不思議に思ったヘクトールが幸福とは何かを探しに旅に行く話。そこでは切ない出合いがあったり、命の危険を感じたり、そしてそれを偉い先生に店に行ったり。たくさんの出会いと幸福の物語。

 

 1番考えさせられたのは黒人がたくさんいる危険な国の話。幸せとは程遠い状況で笑う子供たち。そこで得た幸福とは多分1番基本的なことで素朴なこと。何より大切なこと。そんな気がしました。そして流石だなっと思ったのがヘクトールが気づいただけで満足せず、世界一大きな国の偉い学者さんにその気づきを確認したこと。そこで科学的に証明してもらい、中国の老僧に気づきを話しに行く。自己満足で終わらないのが、精神科医として患者を救いたいヘクトールの正直なところを描いていて優しい人だなっと思わされました。

 

 最後は登場人物のその後が描かれています。投げっぱなしにしない。この本自体が登場人物に優しい。清々しい本でした。わたしも旅に出たい。そして、そこで幸福について考えたい。そう思わされる本です。たくさんの国で、たくさんの幸せに出会ったヘクトールは幸せだな。

 

 

幸福はどこにある──Le Voyage d' Hector (伽鹿舎QUINOAZ)

幸福はどこにある──Le Voyage d' Hector (伽鹿舎QUINOAZ)