熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ「すごいヤツほど上手にブレる」

 わたしはよくブレる。

信じた道はあるのに、同調圧力に負けそうになり、

というより、圧力なくても一般的な姿と違うと

「これでいいの?なんでみんなと同じじゃないの?」

なんて不安になって仕方がない。

みんなと一緒が嫌なくせに、不安は止まらない。

そんな自分があまり好きではなかった。

思う道があるなら進めばいいと言い切りたかった。

そんなとき、この本の題名を見ました。

なに、上手にブレるって、ブレてもいいの?

そんな思いで読むことになった1冊。

 

 リーダーに大切なことは自説を曲げたり、

時には捨てたりする柔軟性だ。

今現在のリーダーが実はブレていることを

教えてくれ、内容を簡潔にまとめる序章。

自説を疑い、他者の意見を取り入れる

メリットが書かれているパート1。

どうしたら上手くブレられるのかが書かれるパート2。

そして締めくくりの結論からなっています。

 

 うまいネーミングだな〜と思います。

柔軟性!と謳われるよりはるかにインパクトがあって

なおかつ面白そう。

ハードルが下がりますよね。

読む人を限定しないというか。

「柔軟なリーダー論」とかいう題名だったら

普通の人読みたくないですよね。

それがブレてもいいよ、というか、ブレようね

とあったら万人に勧められる。

 

 その証拠にリーダー論ですが実生活にも使えます。

実際に育児に使われた様子が書かれていました。

寝かしつけに困ったお父さんが子供の側になり、

自分が声を上げた時、子供がどう感じるのか。

自分はこう思うけれど、子供はどう思うのか。

上手にブレて寝かしつけにかかる時間を

大幅に短縮したそうです。

親がリーダーなんて考えたことなかった。

でも、確かに子供の側に立ってみると、

親の考えなんてわからないから

大きな声を出されたら怒られたとしか思えないし、

萎縮も反発もしますよね。

怒るとき、注意するときは

この本で学んだことを活かします。

 

 あとへーと思ったのが、

人間は同じような思考回路をする人間と繋がりやすいということ。

だから、自説がどんどん正当化されてしまう。

あえて違う立場の人間の声を聞かないと、

思考がどんどん硬直化するそうです。

そして思考の硬直を打破するための反論は、

硬直した集団内から起こして

初めて意味が出てくるということ。

一石を投じる人が身近にいないと、

思考の硬直化からは逃げられない。

仲間内じゃないとまず聞く耳を持たないから。

ネットでの意見が賛否両論なのはこのせいもあるんですね。

ある集団には仲間の言葉に聞こえ、

違う集団には敵の言葉に聞こえる。

ブレる重要性を知らないからどんどん炎上する。

もちろん、なるべくしてなる炎上もあります。

擁護の声がある炎上案件なら、

火に油を注ぐ前にあるいは読み飛ばす前に

立ち止まってみてください。

はて、この擁護の声は正しいのか?と分析。

何人かの擁護を分析してあれ?と思ったなら

今です、今がブレる時です!

上手にブレて自分をいい方にバージョンアップして下さい。

 

 というわけで、読んでてかなりわかりやすいこの本。

ブレる自分が嫌いな人、ブレるもんかと思う人にオススメです。

 

すごいヤツほど上手にブレる (T's BUSINESS DESIGN)

すごいヤツほど上手にブレる (T's BUSINESS DESIGN)

  • 作者: アル・ピタンパリ,AI Pittampalli,岩崎晋也
  • 出版社/メーカー: TAC出版
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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