熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ「センス・オブ・ワンダー」

 やっとこさ読了しました。静かで優しい本ですね。自然と触れ合い、心震わせる体験をすることの素晴らしさを書いた本。読んでいると風景が浮かんで、小さな虫たちの音楽や月夜の海が見えてくるから不思議です。

 都会にだって夜、虫の演奏会が聞こえる。彼らの声と姿を探すのはきっとドキドキするだろうな。夜の海は怖いからあまり行きたくないけれど、月夜の海は確かに素敵だろう。草の匂い、雨の匂い。鳥たちの息吹、雪の日の暖かさ。知っているようで知らない世界はたくさんある。少しずつ鮮明になっていく五感で、子どもたちは自然をどう感じていくんだろう。大人は、子どもというある意味自然の産物と触れ合うことで再び自然に触れることができる。それは子どもの感じるそれとは違うだろう。そして、自分が知っていたそれとも違う。新しい側面がフッと開いたら、大人だってセンス・オブ・ワンダーを感じるはず。

 雪の降らない地方では雪を表す言葉は極端に少ない。粉雪もぼた雪も全部雪。それに似ている気がします。名前を知ることが、名前があることを知ることが大事じゃなくて、雪の中に繊細な自然の技が生かされているのを知ることが大事。なんか今日の雪はサラサラして風に舞うなって感じることが大事。

 もう少したっくんが大人になったら読んであげたい本です。そして、自然に触れ合いたいと言ってもらえたらどんなに幸せだろう。わたしにできるのは自然と触れ合うきっかけを与えることだけだから。

 

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー