熊手かき

読書好きの日常

センス・オブ・ワンダー

 たまたま赤ちゃんのディズニーデビューを検索していて出会った言葉と本。本はまだ途中ですが素敵ですね。正直言うとわたしは父親のおかげでかなり自然に親しんだ子供時代を過ごした。別にキャンプに行かなくても、都会の公園でもたくさんのセンス・オブ・ワンダーに会える。

 諸々の事情でカールソンの「センス・オブ・ワンダー」を途中にして阿川佐和子さんと福岡伸一さんの対談「センス・オブ・ワンダーを探して」を読み始めました。この2冊をちらっと読んで、たっくんにはたくさんのセンス・オブ・ワンダーに触れて欲しいと思いました。今でも忘れない。父親が大きなクモの巣を発見してそこに蝶々をくっつけようかと聞いてきたこと。やめて!ってお願いしたけれど、虫が付く瞬間がなければクモは死んでしまう。残酷だけれどなくてはならない現実。雀の巣を見つけて、雛を見たいとねだった私たちに父親はジャンプして巣を取ろうとした。そこから小さな雛が落ちてきて、弟はその雛を知らずに踏んでしまったんです。かわいそうなことをしたと子供心にショックでごめんなさいと謝った。フサフサな毛に覆われた大人と違って皮膚が丸出しの雛が地面に落ちた瞬間をわたしは未だに忘れていない。

 何度釣ってもザリガニは共食いするし、どんなに可愛がっても車にひかれたら犬は死んでしまう。家に連れて帰ろうとずっと手に持っていたバッタやカタツムリはどんなにそっと持っていても弱っていく。お腹に響く花火の音、枯葉で遊んでアレルギーを起こしたこと、どんぐりや松ぼっくりは秋にしか落ちてこないこと。そして夜の波の音はどんなにか怖いということ。田舎の空のきれいな星空、高い木に囲まれた森で過ごした時間。枯葉を踏むときの音が好きでずっと踏んでいたのに、枯葉に擬態する虫がいると知って全く踏めなくなったこと。未だに近しい人には幼い心を忘れてないねって言われるわたしの中には、子供の頃の驚きや悲しみ、喜びがずっと残っているのかもしれない。まぁ、それが単なる褒め言葉じゃないことは分かっていますけどね。

 たっくんには空の青さと風の心地よさから教えてあげたい。だからできる限り外に出してあげているんです。雨の匂いを知って欲しい。雨が生命を潤すことを知って欲しい。土に触れて欲しい。草の上に横になって飛び跳ねる虫に触れて欲しい。人工物からだって何かを得られるけれど、自然なものから得られるものを多くしてあげたい。死ぬことが生きることを輝かせる気がするんです。

 2つの「センス・オブ・ワンダー」の本を大事に読みたいと思います。そしてそれをたっくんとの時間に生かしたいな〜と思う。それで私たち夫婦も生き直すことができたらどんなに素敵だろう。