熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ 「言ってはいけない」

 図書館ですごい予約数の本だった。図書館に行かず、予約だけで本を借りるわたしはたまには違う本を読みたい!と貸し出し数ランキングの上位から選択して読んでみようと思ったんです。それで知ったのがこの本だった。予約数200人以上。いつ読めるかわからないこの本を本屋で発見。気になるから待たずに買ってしまいました。

 衝撃的な本でしたね。大きくは遺伝の話、美醜格差の話、子育てとこどもの成長の話の3章からなっています。この本に関しては内容は題名の通り言いません。ただ、こんな事実があるんだと驚いた。この中に書かれている事実には参考文献がちゃんとあります。だから、ある程度は正しいことなのでしょう。旦那には話したんです。そしたら、若干疑いの目を向けられた。まぁ、読んでなきゃそうなるだろうね。読んだ身としては恐ろしいです。帯には不愉快とあるけれど、わたしは恐ろしいなと感じました。

 子育てとこどもの成長の話は特に興味深かったです。やっぱり絶賛子育て中ですからね。読んでホッとしたところがありました。ここのところだけちょっと言ってしまうと、子育てはこどもの成長に影響しないそうです。影響するのは友達関係。親が出来るのはこどもが自分の才能を見つけやすい環境、多様性を受け入れられる環境の中にこどもを置いてあげることだけ。この環境という言葉は友達関係と置き換えていいです。こうあらねば!という環境にいると同調圧力でこどももそうなってしまう。それが一般的に好ましい方向なら良いけれど、逆だったら…。才能も同じような才能を持つ集団にいたら花開かない。なぜって、それが当たり前だから。友達からの「凄い!」の言葉でこどもは才能を開花させるのだそうです。親、無力。もちろん、遺伝的素因は多少あるのでそこは親の出番ですけどね!言語能力とかも。だから、自分がどれだけ頑張ってもたっくんがどんな友達と共に過ごすのかで全て変わってしまう。わたしが願うような人になって欲しいなら、たっくんにはいろんな人がいて、それでいいんだって教えてくれる場所に放り込むしかない。インターナショナルスクールかな?普通に日本人だらけの学校でもいいけれど、相当メンタル強くないと同調圧力で自分は自分にならない気がして。いろんな人がいていろんな考えがあるから自分もいていいし、自分の考えがあってもいい。自分といろんな人の位置が逆でもいいんですけど、それを教えてくれる、気づかせてくれるのってどこだろう?

 わたしはブレることがあるけれど、弟は結構人は人、自分は自分なキャラなんです。その代わり弟に言わせると「俺は友達がいない」だそうです。人付き合いは上手なんですけどね、うわべだけだって言っていました。だから好き嫌いはもちろんあるけれど、嫌いだからって否定はしない。ちゃんといいところは認めるし、だからこそ悪口はあんまり出ない。これはわたしのことなんですが、昔はグチグチ言っていました。でも、ある日思ったんです。わたしが嫌いな人を愛している人がいる。その人にとって、わたしが嫌いな人はとても素晴らしかったりキラキラしてたりするはず。じゃ、わたしに見えないだけで良いところもあるんだって。わたしに見えているところだけで相手に難癖つけるのはやめようって。だから、嫌いな人の良いところを見極めて、それでも嫌いというようにしている。

 わたしは友達が少ない。でも、その少ない友達はあんまり悪口を言わないんです。多分、彼女たちも人は人だと思っているか良いところがあるはずと思っているかのどちらか。わたしが行き着いた答えがこの友達のおかげなのか、人間関係に悩んで仏教キリスト教の本を読んだせいかはわからない。でも、わたしが必死に教えようとしてもたっくんに届かない恐れがあるんですよね。切ないな〜。でも、ひとつだけ言えるのは悪口を言わない人間もちゃんといるっていうこと。そういう人と友達になって欲しいな〜。

 とにかく、この本は一度読んでみることをお勧めします。信じるか信じないかはあなた次第!ですけどね。

 

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

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