熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」

 昔、精神的に参っていた時の話。本屋でふと見つけた仏教書に心を救われた。「心は常に動いていて今この瞬間は瞬間でしかなく、次の瞬間には死んでる」そんな感じのことが書かれていて、衝撃を受けたんだ。変われないと思っていた自分は常に死んでいて、新しい自分が生まれていて、なら、本当は変われるんじゃないかと。そこで知ったのが今この瞬間に集中するマインドフルネスだった。こんなに流行ると思わなかったよ。いつまでも実践できないな。子供も生まれて家族の形が変わって、今こそ仏教書かもしれないという時に出会った1冊です。

 
 マインドフルネスのことが中心かと思いきや意外と普通に説法でした。とは言っても面白い。普通にお堂で神妙な顔で聞く説法とは違います。面白いけど、時に考えさせられるのはちゃんと仏教本ですね。108の小話を理想と現実、他者とのつながり方、恐れと痛み、怒りと許し、幸福を作る、問題を解決する、静けさと知恵、心と現実、価値観とスピリチュアリティ、自由と謙虚さ、苦しみと放っておくことの11章で紹介しています。各章はじめに訳者の簡単な解説が載っていて、ポイントはここなのかと教えてもらえますが、個人的にはなんとなく誘導されちゃってる気がして悩みどころです。
 
 1番心に止まったのが自分を愛するとはどういうことかという話。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、自己犠牲は自分を愛するのとは違うと明確に書かれていてそれはそうだなって納得してしまった。誰かを犠牲にしなきゃいけないなら自分がっていうのは自分を愛していないからできるんだそうです。自分を愛していたらそんな選択なんてできない。当たり前なのに人間忘れがちですよね。どの話かは読んでのお楽しみということで内緒です。あと有名な漁師の話が出て来ます。これは何度読んでも学べる話ですね。この話大好きです。ちなみにこの話は「仏教 漁師の話」で検索したらすぐ出て来ますよ。あともう1つ。リウマチになった時の自分の行動がこの本を読んでいて仏教的に良い行いだったことを知りました。そうか、だから愚痴りもせずに乗り越えられたんだ。そう思うとやっぱり仏教ってすぐに使える癒やし、お守りなんだなって思います。
 
 1日1話ずつ、好きな章から読むといいです。お堅い話なんてなくて手軽なのがいい。この本を読んでより仏教を知りたい、マインドフルネスを知りたいと思ったら次の本をどうぞ。仏教本は人生を生きる指針になってくれますよ。今に集中し、不確定な未来を気にせず生きる。そうなれたら素敵だな。

 

マインドフルな毎日へと導く108つの小話

マインドフルな毎日へと導く108つの小話