熊手かき

読書好きの日常

財布を買ってもらいました

 わたしが使っていた財布は、両親が結婚して初の誕生日に最後だからと買ってくれたサマンサのダンボの長財布。お札と小銭のポケットがそれぞれ2つあって、生活費とお小遣いとで管理していた。ダンボが珍しくて、しかもサマンサなのに凄く大人びていて使いやすい。革が痛んでも、チャックが使いづらくなっても変える気は無かった。両親が買ってくれた宝物。

 

 ある日、母親が急に言いだした。「ガンを切除して5年。転移してなかったら財布を買ってあげるから。これが最後の誕生日プレゼントだからね」と。私はボロボロになっても今の財布がすごく気に入っているのでいらないよって思った。そして結果説明の日。目立った転移はないとのこと。ただ、年齢的にまたガンができているとも限らないから、CTだけは撮るそうだ。良かったね!時期は小林麻央さんが亡くなってすぐ。ナイーブになってた母親もホッとしてた。

 

 昨日の話。母親がcoachに行きたいと言い始める。珍しいな〜と思い付き合うわたし。財布を物色。でも、わたしは最初から小銭が2つポケットのものしかダメだと言っていたので諦めてくれた。なぜって、見たところ全部1つポケットだったから。たまたま通った2店目。聞いてみたら、あったよ、2つポケットの長財布!母親飛びつく。何度か断ったのですが、もうボロボロだからと言って聞かない。仕方ないのでいただくことにしました。心苦しいよぅ。

 

 財布を入れ替えて、ボロボロの財布はcoachの箱に詰め替えた。たくさんの思い出が詰まった財布。今の財布がボロボロになったら交互に使おう。本当に満足してたら買わないって本当なんですね。財布だけは欲しいと思ったことがなかった。本もカバンも満足してないのでどんどん買っちゃう。少し不思議。ありがとう、大切にします。