熊手かき

読書好きの日常

ようやっと自分の居場所に感じた瞬間

 結婚した時、私は旦那が一人暮らしをしていた家に住むことになった。わたしが一人暮らしをしていた時に使っていた無印の収納箱を持ち込んで荷物を入れたけれど、どうしても「旦那の家」感が薄まらない。何度か「ここはわたしの家とは思えない」と喧嘩になったこともある。それでも何年か住めば多少は「自分の家」感も出てくる。ほんとに少しだけ。実家にたまに帰ると自分の家でそうじゃない気がした。正直、それと同じ気持ちが自分の家でもあった。
 結婚して4年経ったかどうかの頃。旦那が洋服ダンスと書棚を買ってくれた。白い中くらいの洋服ダンスと小さなスライド書棚。そして、その日から自分の家が本当の意味で自分の家になった。自分のための家具がある。それだけで自分の家になる。本当に不思議。

 引っ越しをして、旦那の食器棚を捨て、私たちの食器棚に買い替えた。今度はそれなりの大きさ。なんだかこれで本当に夫婦になった気がする。子供も生まれて家族になった後に夫婦になった気がするってね。

 買い物をするたびに場所や人との関係が深まる。そんなこともあるんです。だからかな、結婚記念日に必ずお互いにその年の贈り物をするのは。買い物をするたび、夫婦の絆が深まっていく、無意識にそう思っているのかも。これから先、たっくんの荷物も増えていく。きっとその度に家族になっていくんだろう。買い物は年月を刻む大切な儀式でもあるんだ。



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