熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ 「〈わたし〉を生きる女たちの肖像」

 読了しました。基本はアエラ、1人だけ婦人公論のインタビューをまとめたものです。伝記はあまり読まないけれど、この手の本はエッセンスを取り入れられるので嫌いじゃないんです。知っている人半分、知らない人半分の本でした。

 あいうえお順で登場する方を紹介すると、綾戸智恵上野千鶴子宇津木妙子木皿泉北原みのり北村明子北村道子澤田知子長与千種夏木マリ野田聖子萩尾望都、林文子、風神ライカ本谷有希子山田詠美の16名です。本人はもちろん周りの人の話も交えて書かれているので、それぞれの話が深みがあって面白いです。どの方も波瀾万丈の人生の中、自分でしかいられないと生き抜いてきたような人です。評価が良かったわけではない。でも自分でしかいられない。それは自分でたどり着けた人もいれば、知らずにたどり着いていた人もいる。ここに書かれている人は苦労はしても幸せな人だ。自分にたどり着けない人は私も含めて少なくないはずだから。まぁ、だから本になったとは言えるけれど。

 私が特に面白いと思ったのは林文子さんです。あのお歳で経営者として才覚を発揮するためには相当強い精神力や人たらし力があるってことですよね。最初が外資だったからとかそういうのも多少はあるのかもしれないけれど、元々の持ち味を発揮できるかどうかは彼女の努力次第。純粋にすごいなって思いました。

 人には必ず神様に与えられたギフトがあるという。そのギフトに気付けた彼女たちはキラキラしている。一般的にいう幸せを手にした人より多分キラキラしている。私もキラキラできるギフトを探し出したいと心から思った。そのためには自分でしかいられないという強い意識が必要なんだろう。難しい。でも、この本を読んで意識を変えたら少しずつギフトに近づけるような気がしたから、やってみようと思う。うん、マイペースにやってみよう!

 

〈わたし〉を生きる――女たちの肖像

〈わたし〉を生きる――女たちの肖像