熊手かき

読書好きの日常

視覚に訴えるもの 「アンダーワールド:ビギンズ」

 「アンダーワールド」シリーズ3作目です。今回は過去の話でした。1作目の敵ルシアンが何故ヴァンパイアと戦争をすることになったかが描かれています。

 ある日、城の中に幽閉していたライカンから人間の子供が生まれた。ビクターはライカン共々子供を始末しようとするが、子供に利用価値があるのではと思い直し生かすことにする。ルシアンと名付けられたその子に噛まれた人間は人間とライカン、二つの姿を取ることができた。ビクターはルシアンに人間を噛ませ、新しいライカンを奴隷として昼間の警護に当たらせる。大人になり、ルシアンはビクターの娘ソーニャと恋に落ちる。2人は周りの目を盗み愛を育んでいくが…。

 1作目で疑問に思ったこと、何故ビクターが自分の娘ソーニャを殺したのかがよくわかりました。獣と交わったこと、そしてそのお腹に子供を宿したこと。それが許せなかった。混血以上に「獣」と蔑んだものと愛し合ったことが許せなかった。そして長老故、恩赦を与えることができない。示しがつかない。根っからの帝王だったんでしょうね。一族を束ねることの難しさと過酷さを知っていた。悲恋の話であり、悲しい親子の話でもありました。

 さて、次は最後の話。いったい何が待ってるんでしょうか。