熊手かき

読書好きの日常

書を読むということ 「異嗜食的作家論」が

 

異嗜食的作家論

異嗜食的作家論

 

 

 読了しました。旦那が隣で寝入っている間、ずっと読みふけっていた。第2章は読んだことがない本の内容もあったけど本当に興味深かった。

 M気質のある谷崎はもちろんのこと、川端康成大江健三郎三島由紀夫吉行淳之介等有名どころから円地文子宇能鴻一郎、外村繁など、最近の人があまり聞きなれない人まで取り上げられています。基本はアブノーマルの観点から作品が取り上げられ、考察されている。それは普通の評論より偏っている分読み応えがあって面白い。吉行淳之介なんてがんばってるけど、あくまで努力の人だからMなんて書けないね、くらい書いている。この中の作品の半分は読めるけど、半分は図書館で借りないとダメかな?

 私は漠然と感想を書いているけど、テーマを決めて書くとなるとそのテーマについてどれほどの知識が必要になるのだろう。沼正三は自分がMという特殊事情があるから書くのはある程度容易かもしれない。自分にはそんな特殊事情も無ければ、この分野なら負けないという何かがあるわけでもない。だから、少し羨ましいと思った。情熱的に本を読んでいるってことだから。自分だって好きで読んでる。でも、これだから読むという強い思いがあるかと言うと違う。そんな読書を一度はしてみたい。ある意味ディズニーキャラクター関係の本は若干そんなところはあるけれど、内容は問わないから毛並みが違うんですよね。

 普通とはちょっと違う作家論を読んでみたい人、Mの真髄を知りたい人にオススメな本です。