熊手かき

読書好きの日常

旦那と出会い直した日

 東日本大震災。本当に怖くて、ショックで忘れられない日。歩いて家まで帰って、なんの指示もなかったから会社に出勤した月曜日。出勤してくるひとも少なくて、この先どうなるんだろうって不安だった。

 そんなときのんびりと喫煙室へと向かう人が一人。仕事では何度も話したことのある人。でも、目つきが鋭くてちょっと怖かった人。その人が話しかけてきた。「地震すごかったですね、帰れました?」私は1時間で家に帰れたのでその旨話してそちらはと聞いたら4時間ほど歩いて帰ったとか。「よかったです、無事でよかったです」現場担当者だから、現場で資材に潰されるとかだってありえる。だから無事でよかったと心底思った。

 そのあとの話は覚えてない。意外と近くに住んでる話を適当にした気がする。それが旦那と話し始めるきっかけだった。旦那は心配した私を見て自惚れたらしいです。なんで心配してくれるの?もしかしてって思ったらしく…。失恋の傷が癒え、再び恋したらすぐに失恋。でも、今回はもしかして大丈夫なんじゃと。

 結果的に自惚れてくれたおかげで今の2人がある。あんなに悲惨な出来事がきっかけになったのは複雑ではあるけれど、震災がなければ私たちは出会い直すこともなかった。なんとなく、なんとなくだけど、ちゃんと幸せにならなきゃいけない気がしてる。それが最低限な義務な気がする。考えすぎなのかもしれないけどね。嬉しいことと悲しいことを一度に思い出す。3月14日はそんな日でもある。